キズナ~私たちを繋ぐもの~
彼とデート
翌日の土曜日、私は自分の部屋で今日のデートで着る服を一生懸命物色していた。
今日は遊園地に行く約束だから、スカートはあり得ない。
ジーンズに、チュニック。
それでもまだ寒いからカーディガンを羽織る。
今は1月。
あんまり遊園地が楽しい季節でもない。
思えばよく文句もなく賛成してくれたものだ。
本当に、司は私に甘い。
私はコートを右腕に引っかけ、先ほど入れ替えたお出かけ用のカバンの中を確認する。
指輪のケースはちゃんと入っている。
昨日、結局あの後はよく眠れず、ずっと考えていた。
そして、決めた。
これを返そう。
これ以上司を、傷つけてしまう前に。
正直、後ろ髪を引かれる気持ちが無い訳じゃない。
だって彼の言う通り、私はずっと司を頼りにしていた。
いつだって、彼を逃げ場にしていた。
それを失うのは、寂しい。
……いや、怖い。