親友な女
「うん。どうしよう? チョコレートとか準備していっても大丈夫かな?」

「大丈夫だよ! だって彼女いないんでしょ? もらったら絶対うれしいって!」

「そうかな? そうかな? 大丈夫かな?」

「そうだ、うちでチョコレートケーキ作らない?」

「え?」

「ダンナのために今年は手作りにしようと思ってんだけど、せっかくだから一緒につくろうよ!」

「え、でも・・・手作りとか重くない? ただの友達なのに・・・」

「そんなことないんじゃない? あ、でも気になるんなら、みんなの分作ってきたのっていう感じに、食べやすいサイズに切ってラッピングしてさ。それなら重たくないし、女の子らしさもアピールできるじゃん!」

「そうだね! うん! 一緒に作ろう!」

「前日の金曜日に来なよ」

「うん! さすが加奈ちゃん! ホントにいいアイディア! 楽しみぃ~!」



「大野さ~ん?」


「え? 私呼ばれてる?」

「主任じゃない? 今日、出勤してくるの早くない?」

「うん。なんだろ・・・」

「早く行ったほうがいいんじゃない? あとはあたしやっとくよ」

「うん! ありがと!」

朝子は足早にオフィスに戻っていった。



加奈は入れかけの紅茶を見て、大きな溜息をついた。
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