和咲男子高等学園
奏って昔からクラスの中心にいるような奴で、恋愛で悩んでるイメージがない。
それに、結構何でもできるタイプ(口喧嘩は抜きで)だから、佐倉の事になるとこんなにウジウジするなんて、本当に意外。
………でも。
きっと奏が告ったら、佐倉はOKすると思う。
だから、俺は奏の背中は押さない。
「……木春…」
「なんだよ」
冷蔵庫に買った物をしまう。
やべ。氷溶けてる…。
「どっちがうまくいっても恨むなよ」
閉まってた手を止める。
冷蔵庫独特の物が当たる音がなくなる。
「あぁ…。そうだな」
余裕そうに言うのが難しかった。内心焦りまくり。
.