和咲男子高等学園
「葉一せんせ…」
「はい、なんですか?」
二人はそのまま数秒見つめ合っていた。璃穂さんは口が魚みたいにパクパクしている。
私はそれを邪魔しないように静かにその場からどいた。
璃穂さん、告白しちゃえばいいのになぁ。
お兄ちゃん、何だかんだいって変な人だからな。
モテないんだよな、基本。
「……佐倉?」
木春くんにぶつかってしまった。
「あ、ごめんね!」
「いや、大丈夫……だけど…」
きっと、木春くんも首の事を気にしてるんだと思った。
「化粧して消してもらったんだ!」
私は木春くんに首元を見せた。
.