和咲男子高等学園
私の体の右半分に妙な力が入る。
奏が座っているからかな。
ちらっと横目で奏を見る。
ほおずえをついてぼーっとしているだけなのに、何故か私の胸が騒いだ。
昔から思ってたけど、
睫毛長いよなー。奏って。
なんて見とれていたら、奏がコッチをちらっと見た。
一瞬目が合う。……気まずい。
「なんだよ、そらすなよ」
ほおずえをつきながら、
少し拗ねたような口調で言ってきた。
「す、すいません」
自然と目線が下に行く。
あっ、爪伸びてる。切らなきゃ。
「髪」
「へ?」
「……似合うじゃん」
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