和咲男子高等学園
なんか、気まずい雰囲気にまた陥ってしまった。
なんか最近、私奏の事意識しすぎ?
「あっ、そういえば!」
いるって知ってるけど、
知らないような口ぶりで聞いてみた。
「奏ってさぁ…、好きな人いるの?」
隣にいた奏は、飲んでいた水を噴出した。
前に座っていた木春くんが、すっごく嫌そうな顔をした。
そんな奏の動揺っぷりから、いるのは本当なんだと思った。
「なななな、なんでそんな事聞くんだよ!」
「そんな動揺してるって事はいるんだぁ」
奏の弱みを握るなんて久しぶり。
こいつ、成長してから、鋭くなったというか、
あんまり私が勝てる部分が少なくなったから。
「いるよ」
「え…」
あっさり認めた…。
奏は自分が撒き散らした水をタオルで拭いている。
どうしよう…
なぜか私動揺してる…。
自分で奏をいじめようと思って、動揺させようと思って言ったことなのに。
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