和咲男子高等学園





奏に連れて来られたのは、昨日の倉庫の前。


昼と夜じゃ
全然違う雰囲気だった。



奏は私に背を向けたまま何も言ってこない。



「奏?」



奏の背中に話し掛ける。


すると、奏は深呼吸をして私を方を向いた。



月明かりに照らされた奏の顔は、普段の綺麗な整った顔がより綺麗に見えた。




「葉南」



「何?」




奏は自分のズボンのポケットに手をいれた。


奏は手をポケットから出すと、手には小さな箱があった。





「誕生日、おめでとう」



と箱を私に差し出した。


私は箱をゆっくり受け取る。



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