和咲男子高等学園





「大丈夫か?」



そう言って、私の方に駆け寄って来る。



安心からか、涙がこぼれる。




「ったく。
本当暗い所苦手だよな?
いつもは強気のくせに」



暗くて良く見えないけど、
きっと、笑ってる。



奏は昔から私の弱点を見つけるのが好きだ。



「……うっ……さい」



そんな会話をしてた時。


一瞬、部屋がピカッと明るくなった。



私は耳に当てていた手に力をいれる。




その数秒後、

大きな雷がなった。




耳に手を当てても
音は大きく聞こえた。



「………きゃあ!」


と情けない声が出る。


……奏の前で恥ずかしい…



なんて思ってた時。




顔全体が暖かくなって、
首もとがキュッとした。



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