先輩と僕
1:僕に出会った先輩
僕が高2だったその夏は、連日のニュースで「猛暑」だとか「熱中症」だとか騒がれていた、暑い暑い夏だった。
一学期の終業式が終わり、担任の長い話が終わると、クラスメートたちは浮かれた様子で、みんなでカラオケに行こうと言いあっていた。
「ユウトも行くよな?」
いきなり聞いてきたのは、アキラだった。
アキラは僕がみんなとのカラオケに行くと決めつけているみたいだったが、正直、僕は今、みんなとわいわい騒ぎたいような気分じゃなかった。
黙って苦笑いしていると、アキラは少し真剣な顔をして、僕を説得してきた。
「ユウト、まあ、あんなことがあったばっかだし、騒ぎたい気分じゃないのはわかる。けど、せっかく一学期最後の日なんだしさ...」
アキラが言い終わらないうちに、僕は後ろから誰かに肩を叩かれ、振り向いた。
「ユウトくんもアキラくんも行くでしょ?」
きらきらした笑顔でそう言ってきたのは、エリだ。
「もちろん!二人とも行く!」
アキラは勝手に返事をすると、こっちを向いてニヤッと笑った。
...完全にアキラの思い通りになってしまった。
...けど、エリにも誘われたなら、行ってもいいか、と僕は思った。
エリはもう僕たちのほうは向いておらず、女友達同士でキャーキャーはしゃいでいる。
そんなエリの横顔は、僕にはそこらへんのアイドルよりも可愛く見えた。
僕は...エリのことが少し好きだった。
一学期の終業式が終わり、担任の長い話が終わると、クラスメートたちは浮かれた様子で、みんなでカラオケに行こうと言いあっていた。
「ユウトも行くよな?」
いきなり聞いてきたのは、アキラだった。
アキラは僕がみんなとのカラオケに行くと決めつけているみたいだったが、正直、僕は今、みんなとわいわい騒ぎたいような気分じゃなかった。
黙って苦笑いしていると、アキラは少し真剣な顔をして、僕を説得してきた。
「ユウト、まあ、あんなことがあったばっかだし、騒ぎたい気分じゃないのはわかる。けど、せっかく一学期最後の日なんだしさ...」
アキラが言い終わらないうちに、僕は後ろから誰かに肩を叩かれ、振り向いた。
「ユウトくんもアキラくんも行くでしょ?」
きらきらした笑顔でそう言ってきたのは、エリだ。
「もちろん!二人とも行く!」
アキラは勝手に返事をすると、こっちを向いてニヤッと笑った。
...完全にアキラの思い通りになってしまった。
...けど、エリにも誘われたなら、行ってもいいか、と僕は思った。
エリはもう僕たちのほうは向いておらず、女友達同士でキャーキャーはしゃいでいる。
そんなエリの横顔は、僕にはそこらへんのアイドルよりも可愛く見えた。
僕は...エリのことが少し好きだった。