先輩と僕
「店長!この子です!」

店員...名札を見ると<クジカワ>と書いてある...クジカワさんは、はしゃぎながら近寄ってきた。

「あ、あのー」

僕は喋ろうとしたが、クジカワさんの勢いは止まらない。

「はいっ!これ!」

いきなり<アルバイト誓約書>を渡された。

「ええっ」

あまりの展開の速さに驚いていると、クジカワさんに店長と呼ばれた男の人が、後ろから声をかけてきた。

「クジカワ、いや、まず、面接とかあるから...」

なんだかこの人は冷静だ。よかった...。

ほっとしていると、クジカワさんは少し不機嫌そうな声で、

「大丈夫ですよー面接とか適当でー。だって、この子、田島さんの妹の友達でー」

と訴えだした。

いやいや、マイミの連れであることがアルバイトとなんの関係が...。

そう思っていると、今まで冷静だった男の人までもが、

「ああ、それならもう採用だな!」

なんて言い出す。

なんでだよ!
< 8 / 11 >

この作品をシェア

pagetop