いかれ帽子屋はせせら笑い、ヤンデレ双子はただ愛した
もはや顔と言っていいかも分からない塊は、腐敗しない骨にべちょべちょとガムをつけたようなもの。
ビニール袋の底にはどす黒い不純物が溜まり、ハエすらも逃げ出そう悪臭も漂っていた。
「もう三ヶ月だっけ?」
「そうだな」
「そろそろ何かしなきゃね。香我美とはずっと一緒にいたいから、形は残しておきたいけど……、香我美の方が崩れるんだから……」
落ち込みながら声音を低くし、右桜は腐敗顔の横にある“香我美の右手”を見た。
「右手はまだ大丈夫かな。まだ手を繋げる。兄さんの方は?」
「昨日見た分じゃ、“左手”もまだ大丈夫だ」
「そっか。香我美の手を繋ぎながら寝たんだね」
「っっ、わ、悪いかっ」
「嘘をつかずに照れる兄さんはかわいいねぇ、香我美」