紙のない手紙
「ま、待てよ。じゃ、じゃあ…俺は死んだってのか?」








「だから、そうだっつってんでしょうが。アッタマ悪いなぁ。」










カッティン…ときたがここは拳を震わせる程度にしておこう。









「…だけどよ…俺には足がついてんだぜ?死んだっていきなり言われてもなぁ…?」









「はぁ…」









リンは哀れみの目でこちらを見て、ため息を吐いた。












こ、こいつは……









「足がない幽霊なんて単なるイメージでしょうに。それを絶対だと思って私の言うことが信じられないだなんて……怒りを通り越し、呆れを飛び越えて、一瞬可哀想になったわよ…」











鏡がないから分からないが、きっと今の俺はゆでダコもビックリするほど赤い顔をしていたに違いない。
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