紙のない手紙
「だ、誰がガキンチョですかぁぁ!」








忠時とかいう奴はそう叫びながら、虚空に手をかざした。









すると、差し出された手の周りがグニャグニャとまがり、どこからか大鎌が現れた。









「ボ、ボクば、あんだなんがよりばながいぎだんでずぼぉぉ」









忠時は叫びながら鎌を辺り構わず振り回し始めた。









泣きすぎて何言ってっかわからんのだが…









「あ~あ…泣かしちゃった…」






困惑する俺の隣で、リンは予想通りといった感じで片手で顔を覆っていた。






「俺、何かマズったか?」









俺は時折迫ってくる鎌の刃を避けながらリンに話しかけた。











「そいつ、そんな格好だけど、100歳越えてんのよ。んで、ガキ扱いされてキレてるってわけ…」
< 24 / 106 >

この作品をシェア

pagetop