紙のない手紙
「いいっ!ひゃく……ってか危ないわ、バカタレ!」








俺は驚きながらも、鎌を振り回す忠時の頭を思いっきり殴った。









「ピギャア!」










忠時は何かに押し潰されたようにそう叫ぶとフラフラよろけ、道に座り込んだ。












「あぁああ、いだい、いだいいだい~」










忠時は殴られた頭を擦りながら、恨めしそうな目で見てきた。










完っ全にガキじゃねぇか…どこが100歳越えだよ…










「おいリン。本当にこんなのが俺より年上なのか?」









「こんなのって言ったなぁ!」








忠時が道に転がっていた鎌に手を伸ばしたので、俺はその柄を踏んづけてやった。









案の定、忠時は持ち上げられずに俺の足元で荒い息をついて鎌を引っ張り上げていた。











「そうよ。」









リンは面倒くさそうに頭をかきながら、素っ気なく答えた。
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