紙のない手紙
こんなのが…ねぇ…










俺はマジマジと忠時を見た。









どう考えても小学生のような背格好で、入学式などで着る少し派手目の服を着ている。









そして、その服の上にマントを羽織っているが、丈が長すぎで立った時に裾が地面に触れていた。











それに…この鎌…ね










ハロウィンのコスプレにしか見えんぞ。










「まぁ…いいか…」









俺がそう言って足を鎌の柄からどけると、必死に引っ張り上げていた忠時は反動でひっくり返った。









「そういや…こいつの仕事は…死神は何をするんだ?」









「こいつって言うな!ボクには忠時って名前がある!みんなからはトッキーって言われて慕われてるっす!」










忠時はふんぞり返って立っていた。











たぶん、そのあだ名はお前の名前が長いからつけられたんだと思うが……言わないのも優しさか…
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