紙のない手紙
「それでトリッキー…お前の仕事は何だ?」







「トリッキーっじゃないっす!トッキーっす!…ボクはそんなにテクニックはないっす…」










百何歳のじじぃがトリッキーに食いついてくるとは……まぁ、いい…









「で…お前の仕事は何だ?」









「お前って言うな!ボクには忠時って…うぎゃ!」








「し・ご・と・は?」








俺は忠時の頬を両手でつまみ、左右に引っ張りながら、にこやかな笑みを浮かべて、ドスのきいた声で尋ねた。









忠時は確実にビビっている。









うん、人っていうのは笑いながら怒るととてつもなく恐ろしい生き物だよな…と思いつつ、パッと手を離してやった。










「ボ、ボクの仕事は、な、亡くなった人を霊魂世界に案内することです…」









「案内…?」
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