紙のない手紙
「そんな事ないっすよ。大丈夫っす、ここは現世とは全然違うっすから。」






「どういうことだ?」





「この世界にはお金がないっすからね。能力のあるなしとか資格の有無とかは関係ないっす。ただ…」









忠時は少し話しづらそうに横に目をチラチラとやり始めた。








「ただ…?」









「全くやる気のない人間は雇いたくないかもしれないっす。ここは報酬がお金じゃない分やる気が重要になってくるっす。」







俺は何も言わずに忠時の話に耳を傾けている。








「でも、全然心配ないっす。こっちは面接とか試験とかないっす。なんで、望む職業には大抵就けるっす。」










俺にはそんなもの無かったんだがな…
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