紙のない手紙
「……ふんっ」





リンはそう言うとそっぽを向いてしまった。








ム、ムカツク




「あぁ!もういい!知るか!」








俺はそう言ってその場を跡にしようとした。







すると、リンがこっちを見ずに話し始めた。








「………しょよ…」









「あ?何だって?」







「遺書って言ったのよ!」





「い…しょ…?」









全く訳が分からない。いきなりこいつは何を言い出すんだ。








俺が呆然としていると、リンは俺の反応に更に気を悪くし、ぶっきらぼうな説明を加えた。









「だから遺書よ、遺書。人が死ぬ時に書くアレよ、アレ。」
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