紙のない手紙
「忠時のやつは何をしてるのかしら…」








リンは深いため息をそれに付け加えた。




どうやらまたしても忠時絡みらしいな…







「しょ~がない。私が説明してあげる。

…い~い?遺書っていうのは死者が残す手紙を言うわ。ただ、ここでは少し特殊な意味が込められてる。」






「特殊な意味…?」






「こっちでの遺書は死者から生者への手紙を指すのよ。」







「死者からの手紙…」






リンは肩から下げている鞄の中から便箋を1枚取り出し、俺に見せた。








「これに書くのよ。」
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