紙のない手紙
「な~に~?」





リンは俺を見ずに作業を続けている。







「な~に~?っじゃねぇよ!何してんだよ!」







「見て分かんない?」


「分かってるから止めようとしてんだよ!」







しかし、リンは手を止めず、瞬く間に紙飛行機を作り上げた。







「はい出来た。」




「何してんだよ、人の遺書折り紙にして遊んでんじゃねぇよ!」





「遊んでなんかいません~」








リンは悪ガキがするように口を横に広げ、



「い~っだ」


と、言った。
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