紙のない手紙
穴に向かって紙飛行機は螺旋を描きながら、ゆったりと落ちる。







俺はリンと共にその様子を黙って見ていた。








手紙は穴を抜け、向こうの世界へと入っていった。









俺は穴の中を覗き、紙飛行機の後を追った。









不思議な感じだった。








それは横風に流されず、まるで機械が運転しているかのように真っ直ぐに飛んでいる。










その先には小さな家が見えた。









紙飛行機はその家に向かい、そしてたどり着き、その壁をすり抜けた。
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