紙のない手紙
「そっくりだな…」







遺影に写されている女性と拝んでいる女性は瓜二つだった。






「妹さんか?」


俺はリンへと顔を向けた。







「いいえ。彼女の娘よ。」






「娘っ!?」









俺は驚き、穴に映っている遺影と女性を何度も見比べた。









あり得ない…どう考えたって5歳以上は離れていない。どう考えたって姉妹にしかならない。










「なあ、流石にこれだけ年の近い親子はいないだろう?」









俺がリンに尋ねると、彼女は肩をすくめて答えた。
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