紙のない手紙
「まぁ…知らないから分かんないよね。」







口ではそう言いながらも、その態度はどこか小馬鹿にしているように見えた。








「なんだよ…」





「まぁまぁ…そうむくれない。」









誰のせいだ、誰の。










リンは俺を横目に得意気に講釈をたれ始めた。









「この手紙は特別なのよ。」








「それはだいたい分かる。」








「うっさいな~、今からどう特別なのか教えてあげる。」
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