紙のない手紙
「もう……しょうがないなぁ…」





私はリビングのソファーでいびきをかいている父にタオルケットをかけた。







父の顔は、酒のせいで真っ赤になっていた。








「……フア…フニャ…ンフフ…」








何かいい夢でも見ているのかだろうか、その顔はだらしなく緩んでいる。








ハハ…お父さん…ちょっとキモいよ…










私はそう苦笑しながらも、ズレたタオルケットをかけ直してやる。











ソファーの傍に座り込み父の寝顔をじっと見る。









そういえば、お父さん帰ってくるなり上機嫌だったな、いや、朝から上機嫌だったか…何がそんなに嬉しいんだか…
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