紙のない手紙
その時だった。








私の周りが急に、ピンぼけした写真の中に入ったような景色に変わり始めた。









「え、え?」








私は驚いたが、何故か直ぐに安心し始めた。








まるで夢現のような心地だ。









すると、私の前で寝ている父の向こう側、つまりはソファーの背後に、光の小さな玉が集まり出した。










私はその景色をボーっと眺めていた。










だが、次の瞬間、私は目を見開いた。












「お、お母さん!?」
< 65 / 106 >

この作品をシェア

pagetop