紙のない手紙
光の玉が集まった場所に現れたのは、私が何度も会いたいと願っていた母だった。








「お、お父さん!お母さんが…」









私は父の目を覚まそうとその体を揺すったが、一向に目を覚ます気配が無かった。









「お父さん!お母さんだよ!お母さんがいるよ!」









私は何度も父の体を揺すった。











私がそうしていると、凄く暖かい声が聞こえてきた。










「恵里佳…20歳のお誕生日、おめでとう…」













念願の母の声だった。
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