紙のない手紙
「この手紙は、見ての通り普通の手紙とは違うわ。この手紙で伝えるのは文だけじゃない…思いよ…」










思い…?









「まぁ普通の手紙でも思いを伝える事は出来る。ただ、形にはならないけどね。」









「思いを…形に…?」








「…そう。この手紙が相手に触れた、届いた時、その人は一種の催眠状態に陥るわ。」









催眠?何だか危険な匂いがしてきたな…










俺の思いを感じ取ったのか、リンはしかめっ面でこちらを見た。
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