紙のない手紙
それから俺はリンにてがみ屋の事務所へと案内された。








てがみ屋の建物は意外に小さく、田舎の郵便局位の大きさしかなかった。







「所長…入社希望者連れてきましたぁ。」








「ん?」









ドアを開けて入ったリンの言葉に、事務所の中の白髪の老人が反応した。










「入社希望者?」


「所長…?」









2人はお互いに怪訝な顔をして見あった。







この人が所長?どう考えたって退職してなきゃおかしい年齢だろ。








70代に見えるその老人は俺をしばらく見た後、一言だけ言った。













「君、採用。」
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