紙のない手紙
俺は気が付くと暗い場所に立っていた。










「…何だ?ここは…」











俺はそう言って辺りを見回す。











見たことのない場所だった。











俺の後ろは何処まで続いているのか分からない闇。









左右には、俺と同じようにキョロキョロと辺りを見回している奴が何人かいた。












そして、正面には街が見えた。














「何なんだ…ここは…」














俺は事態を飲み込めずに呆然と立ち尽くしていた。













すると、いきなり後ろから女の声と自転車のベルが聞こえた。




















「やあ!君ってついてるね!」
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