琥珀色の誘惑 ―王国編―
【王国編】
(1)恋するシーク
「そうなの! 今ね、プライベートジェットに乗ってるの!」
「じゃ、本当に舞ってクアルンに行っちゃうの?」
「なんかそういうことになっちゃって……。アルってば強引だから」
「ひょっとして、舞さまって呼ばなきゃいけない?」
「とりあえず……桃子とふたりきりの時は平気だと思う。アルもふたりの時は煩くないしね」
「へぇ~。ま、ジェットヘリで迎えに来てくれた王子様だもんねぇ~」
「そうなの、そうなのっ! アルってわたしがイヤって言ったら無理強いはしないし、ハネムーンは日本にしようって……日本風の披露宴もしてくれるって言うのよ! もちろん、桃子も来てね。それに、本当はすっごく優しくて……」
この後、ミシュアル王子が咳払いをするまで、舞は延々「シーク・ミシュアルの魅力について」語り続けたのだった。
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