琥珀色の誘惑 ―王国編―
横から上がるライラの声に後押しされ、女官らは舞に無断で入り込もうとした、その時――。
『ここはわたし、アーイシャ・モハメッド・イブラヒームの寝室です! 国王陛下、或いは王太子殿下の許可なく、踏み入ることを禁じます!』
突如発せられたアラビア語の威力は絶大だった。
離宮にいた女官だけでなく、ライラ付きの女官たちも一斉に後方に下がり床に平伏した。
その場に立っているのはライラと舞のふたりだけだ。
ふたりは無言で睨み合い、緊迫した空気が流れる。
『……失礼いたしました。アーイシャさま』
言葉とは逆に、煮え滾るような怒りを瞳に映し、ライラは身を翻した。
女官らも一斉に引き上げていく。
舞はパタンと戸を閉め、鍵を掛けると部屋の奥に向かって言った。
「こ、これで良かったのよね……アル?」
『ここはわたし、アーイシャ・モハメッド・イブラヒームの寝室です! 国王陛下、或いは王太子殿下の許可なく、踏み入ることを禁じます!』
突如発せられたアラビア語の威力は絶大だった。
離宮にいた女官だけでなく、ライラ付きの女官たちも一斉に後方に下がり床に平伏した。
その場に立っているのはライラと舞のふたりだけだ。
ふたりは無言で睨み合い、緊迫した空気が流れる。
『……失礼いたしました。アーイシャさま』
言葉とは逆に、煮え滾るような怒りを瞳に映し、ライラは身を翻した。
女官らも一斉に引き上げていく。
舞はパタンと戸を閉め、鍵を掛けると部屋の奥に向かって言った。
「こ、これで良かったのよね……アル?」