琥珀色の誘惑 ―王国編―
昨日、謁見の手順を聞いていた時、ミシュアル王子が口にしたのだ。
王妃の住まう後宮は四つあり、舞にはヌール妃の使っていた宮を与える。日本風に手を入れた箇所もあり、舞も気に入るだろう。残りの三つは使う予定がないので全て閉鎖する、と。
舞の言葉にミシュアル王子の瞳が僅かに翳った。
「どうしたの、アル? わたし変なこと言った?」
「いや……。わかった、抜け道を教えよう。さあ来い」
この時の舞は何も知らなかった。
ミシュアル王子の苦しそうな瞳の意味も、ライラがいつまでも諦めない理由も……。
王妃の住まう後宮は四つあり、舞にはヌール妃の使っていた宮を与える。日本風に手を入れた箇所もあり、舞も気に入るだろう。残りの三つは使う予定がないので全て閉鎖する、と。
舞の言葉にミシュアル王子の瞳が僅かに翳った。
「どうしたの、アル? わたし変なこと言った?」
「いや……。わかった、抜け道を教えよう。さあ来い」
この時の舞は何も知らなかった。
ミシュアル王子の苦しそうな瞳の意味も、ライラがいつまでも諦めない理由も……。