琥珀色の誘惑 ―王国編―
ミシュアル王子はとっても頼りがいがあると思う。いざとなったら、戦車や戦闘機を使っても、舞を守ってくれるだろう。剣や格闘技も得意らしい。容姿はもろにアラブの王子様然としていて、問題など欠片もない。身長も、彼の言った通り、舞とはピッタリだ。
それに、身体のほうも……。コーランの戒めがなければ、とうの昔に舞の純潔は彼のものになっていただろう。
(でも、必死に耐えるアルもとっても可愛くて……)
思考がミシュアル王子の素敵な所になりつつあったので、舞は慌てて修正した。
問題は、それとなく感じる気遣い、というのがない点だろうか。
さりげなく伝えても、ミシュアル王子には伝わらない。キッパリくっきりハッキリと言葉にして、やっとわかってくれる。思いやりがない訳ではない。ただ、舞の意見も聞いて欲しい、事前に相談して欲しかった、という点がたくさんあるのだ。
とくに結婚式のことで……。
まずは、砂漠で行うことを聞いたのはつい昨日のこと。
確かに、「式の後、砂漠で一週間を過ごす」とは言っていた。だが、その結婚式そのものが砂漠で行われるなんて初耳だ。ヌール妃の母親の出身部族であるアル=エドハン一族が、その一切を取り仕切る決まりらしい。
舞にすれば、ワクワクはするけど、自分の結婚式なのにな……というのが正直な感想だった。
それに、身体のほうも……。コーランの戒めがなければ、とうの昔に舞の純潔は彼のものになっていただろう。
(でも、必死に耐えるアルもとっても可愛くて……)
思考がミシュアル王子の素敵な所になりつつあったので、舞は慌てて修正した。
問題は、それとなく感じる気遣い、というのがない点だろうか。
さりげなく伝えても、ミシュアル王子には伝わらない。キッパリくっきりハッキリと言葉にして、やっとわかってくれる。思いやりがない訳ではない。ただ、舞の意見も聞いて欲しい、事前に相談して欲しかった、という点がたくさんあるのだ。
とくに結婚式のことで……。
まずは、砂漠で行うことを聞いたのはつい昨日のこと。
確かに、「式の後、砂漠で一週間を過ごす」とは言っていた。だが、その結婚式そのものが砂漠で行われるなんて初耳だ。ヌール妃の母親の出身部族であるアル=エドハン一族が、その一切を取り仕切る決まりらしい。
舞にすれば、ワクワクはするけど、自分の結婚式なのにな……というのが正直な感想だった。