琥珀色の誘惑 ―王国編―

(25)仕組まれたウエディング

ふたりきりになりたかった。

舞はミシュアル王子とふたりになるまで、尋ねることを我慢したのだ。


「ねぇ、アル……わたしを迎えに来てくれた、ジェットヘリの中で誓った言葉、覚えてる?」


王太子の宮殿に戻り、舞は妃の間に引き篭もった。夕食を断わった舞を心配して、ミシュアル王子はすぐに彼女の部屋を訪れる。


「それが……どうしたと言うのだ」


唐突に切り出された舞の質問に、何事か察したのだろう。彼の声は珍しく震えていた。


「わたし、第一夫人にして欲しい、そう言ったよね?」

「だから何だ。お前は私にとって唯ひとりの妻だ!」

「でも敬称は“第二夫人アーイシャ妃”そう呼ばれるんだ」


< 155 / 507 >

この作品をシェア

pagetop