琥珀色の誘惑 ―王国編―
「舞、お前に余計なことを吹き込んだ人間がいるようだ。だが、それはお前が考えるべきことではない」
「どうして? ラシードが言ってたわ。ヌール様も日本の雑誌に『国王の妾』って書かれたって。わたしも日本でそう言われるのよ!」
「母上は王妃だ! 侮辱することは許さん!」
血相を変えて叫んだミシュアル王子に、舞は怒鳴り返した。
「わたしを侮辱してるのはアルじゃないっ! 綺麗な言葉でわたしを騙して、クアルンまで連れて来たのよっ」
「騙してなどおらぬ。嘘などひと言も」
「嘘は言ってない? だったらどうして、第一夫人にはなれない、って言ってくれなかったのっ!?」
「たったひとりしかおらぬ妻に、第一も第二もなかろう!? そんなに称号が気に入らぬなら取り払おう。“王妃”や“国王夫人”なら文句はあるまい!」
「じゃあ後宮で、正妃の宮に入ってもいいのよね? わたし以外の誰も後宮に妃はいないんだからっ!」
ミシュアル王子は返答に詰まる。
「どうして? ラシードが言ってたわ。ヌール様も日本の雑誌に『国王の妾』って書かれたって。わたしも日本でそう言われるのよ!」
「母上は王妃だ! 侮辱することは許さん!」
血相を変えて叫んだミシュアル王子に、舞は怒鳴り返した。
「わたしを侮辱してるのはアルじゃないっ! 綺麗な言葉でわたしを騙して、クアルンまで連れて来たのよっ」
「騙してなどおらぬ。嘘などひと言も」
「嘘は言ってない? だったらどうして、第一夫人にはなれない、って言ってくれなかったのっ!?」
「たったひとりしかおらぬ妻に、第一も第二もなかろう!? そんなに称号が気に入らぬなら取り払おう。“王妃”や“国王夫人”なら文句はあるまい!」
「じゃあ後宮で、正妃の宮に入ってもいいのよね? わたし以外の誰も後宮に妃はいないんだからっ!」
ミシュアル王子は返答に詰まる。