琥珀色の誘惑 ―王国編―
窓際の古い机の上には写真立てがひとつ。
ライラが手に取ると、優しい三日月の光に照らされ……若い女性が赤ん坊を抱く姿が浮かび上がった。
そのガラスの上に一粒……二粒……透明な雫が落ちて。
『必ず……わたくしは正妃になって見せます。そしてきっと……』
その時、微かな車のエンジン音が聞こえた。車の普及が少ないこの地域では、深夜に排気音が聞こえることなどまずない。車は間違いなく、ライラのいる離宮に近づいている。
ライラは頬を伝う涙を拭うと、いつもと変わらぬ余裕の笑みを浮かべた。
ライラが手に取ると、優しい三日月の光に照らされ……若い女性が赤ん坊を抱く姿が浮かび上がった。
そのガラスの上に一粒……二粒……透明な雫が落ちて。
『必ず……わたくしは正妃になって見せます。そしてきっと……』
その時、微かな車のエンジン音が聞こえた。車の普及が少ないこの地域では、深夜に排気音が聞こえることなどまずない。車は間違いなく、ライラのいる離宮に近づいている。
ライラは頬を伝う涙を拭うと、いつもと変わらぬ余裕の笑みを浮かべた。