琥珀色の誘惑 ―王国編―
ライラやハディージャ妃など、舞との障害になりそうな人間には箝口令そのものを極秘にした。そして、後宮ではなるべくヌール妃に寄り添って貰う約束だった。
今日も、国王陛下の呼び出しさえなければ……。
最初の日、ライラが舞の居る浴室に向かったと聞いた時、ミシュアル王子は非常に焦った。
だが、シャムスが適当に話を逸らしてくれたのである。
その後、舞の質問には嘘を吐かずに済むよう彼も必死だ。サラートの時間を理由に、唐突に服を脱いだのもそのひとつ。
ラシード王子の件も同様だ。
弟には緘口令を伝えてあった。よもや、兄弟の誓いよりライラを優先するとは思わない。だがラシード王子の場合、ついうっかり、もある。
ミシュアル王子は、使いを出すことはせず、禁を犯してまで自ら後宮に乗り込んだ。
今日も、国王陛下の呼び出しさえなければ……。
最初の日、ライラが舞の居る浴室に向かったと聞いた時、ミシュアル王子は非常に焦った。
だが、シャムスが適当に話を逸らしてくれたのである。
その後、舞の質問には嘘を吐かずに済むよう彼も必死だ。サラートの時間を理由に、唐突に服を脱いだのもそのひとつ。
ラシード王子の件も同様だ。
弟には緘口令を伝えてあった。よもや、兄弟の誓いよりライラを優先するとは思わない。だがラシード王子の場合、ついうっかり、もある。
ミシュアル王子は、使いを出すことはせず、禁を犯してまで自ら後宮に乗り込んだ。