琥珀色の誘惑 ―王国編―
首都を抜け出し、舞はヌール妃の別邸と信じている場所で二度目の朝を迎えた。
窓を開け放つと、清々しい朝の空気が部屋に流れ込む。
少し乾燥した感じだが、何とも言えない凛々しい風が吹いている。そして、舞はスズメの姿をみつけた。ダリャ市内の王宮や王太子の宮殿でも、鳴き声は聞こえていたが……。
目にしたのは随分久しぶりで、舞は嬉しくなり庭に下りてみた。
一昨日の強行軍が響いたのか。或いは監視の目の少なさに安堵したのか。昨日は久しぶりに、昼過ぎまで寝てしまった。
午後も部屋で過ごし、舞はクアルンに来て初めて寛いだ時間を得た気分だ。
(アルは心配してるかな? それとも……怒ってるだろうな、やっぱり)
ヌール妃が上手く取り成してくれることを願いつつ、舞は別邸を眺めて溜息を吐く。
窓を開け放つと、清々しい朝の空気が部屋に流れ込む。
少し乾燥した感じだが、何とも言えない凛々しい風が吹いている。そして、舞はスズメの姿をみつけた。ダリャ市内の王宮や王太子の宮殿でも、鳴き声は聞こえていたが……。
目にしたのは随分久しぶりで、舞は嬉しくなり庭に下りてみた。
一昨日の強行軍が響いたのか。或いは監視の目の少なさに安堵したのか。昨日は久しぶりに、昼過ぎまで寝てしまった。
午後も部屋で過ごし、舞はクアルンに来て初めて寛いだ時間を得た気分だ。
(アルは心配してるかな? それとも……怒ってるだろうな、やっぱり)
ヌール妃が上手く取り成してくれることを願いつつ、舞は別邸を眺めて溜息を吐く。