琥珀色の誘惑 ―王国編―
制服を着たふたりは、血相を変え、拳銃を手にして走って来る。
大声で何かを喚くが……。舞は車のエンジンを切ることもなく、ハンドルにしがみ付いていた。
すると、ふたりはその銃口を舞が乗った白いクラウンに向けたのだ。
それをバックミラーで見た瞬間、無意識でアクセルを踏み込んでいた。
(嘘でしょ!? たかが女ひとりに何で銃なんか向けるのよっ!)
舞はこの時、女性の運転が犯罪になることを、シャムスの説明から完全に聞き漏らしていた。
間の悪いことに、カンマン市には国際空港はなく、国境も近くにない。となれば、入り込むはずのない場所に、正体不明の外国人女性が突如現れたのだ。
『エンジンを切って降りろ』と警告したが無視され……警察官も思わず厳重警戒態勢を取ってしまった。
大通りは車線もないのに、結構な数の車が走っていた。
運転するのにコツがいるようで、とてもその中を安全に走り抜ける自信はない。結果、舞は次第に人の少ない方に来てしまい……。
ふと気付くと、三人の男が乗ったジープが、クラウンの横を並走していた。幌のない軍用のジープに似ている。乗っている男たちは拳を振り上げ、口笛を吹き大声で何かを叫んでいる。
どう見てもまともな職業には思えない。
その直後、後部座席に乗った男が、ライフルのようなものを舞に向けた!
大声で何かを喚くが……。舞は車のエンジンを切ることもなく、ハンドルにしがみ付いていた。
すると、ふたりはその銃口を舞が乗った白いクラウンに向けたのだ。
それをバックミラーで見た瞬間、無意識でアクセルを踏み込んでいた。
(嘘でしょ!? たかが女ひとりに何で銃なんか向けるのよっ!)
舞はこの時、女性の運転が犯罪になることを、シャムスの説明から完全に聞き漏らしていた。
間の悪いことに、カンマン市には国際空港はなく、国境も近くにない。となれば、入り込むはずのない場所に、正体不明の外国人女性が突如現れたのだ。
『エンジンを切って降りろ』と警告したが無視され……警察官も思わず厳重警戒態勢を取ってしまった。
大通りは車線もないのに、結構な数の車が走っていた。
運転するのにコツがいるようで、とてもその中を安全に走り抜ける自信はない。結果、舞は次第に人の少ない方に来てしまい……。
ふと気付くと、三人の男が乗ったジープが、クラウンの横を並走していた。幌のない軍用のジープに似ている。乗っている男たちは拳を振り上げ、口笛を吹き大声で何かを叫んでいる。
どう見てもまともな職業には思えない。
その直後、後部座席に乗った男が、ライフルのようなものを舞に向けた!