琥珀色の誘惑 ―王国編―
(6)砂漠の青い瞳
「ちょっと、嘘でしょ! なんでこうなるのよっ!」
舞は思わず日本語で叫んでいた。
そのまま、グイッとアクセルを踏み込む。刹那、不意に視界が開けたのだ。
――光の洪水――
そんな言葉が頭に浮かんだ。
舗装された道路が途切れ、舞は砂の海にダイブした。
だが、車は本物の海とは違って、沈むことはない。砂を巻き上げ、一直線に走る。ジープには敵わないと思ったが、「さすが日本車!」と自国贔屓になりそうだ。
舞の声援を受け、クラウンは砂上を爆走した。
どれくらい走っていただろう。ふと気付くと、バックミラーからジープは消えていた。
(やったわ! 振り切るなんてスゴイ!)
ジープの連中がどうして追うのを止めたのか、なんて舞にわかるはずもなく……。
彼女は脳天気にも、逃げ切った自分を勝者だと思ったのだ。
でも、その勘違いはすぐに正される。それは、舞が町に引き返そう、と考えた時だった。
砂の上を走ってきたのだから、タイヤの跡を見て戻ればいい。でも、すぐだとあのジープの連中が待ち構えているかも知れない。
もうしばらくしてから……と考えたのがとんでもないことになる。
舞は思わず日本語で叫んでいた。
そのまま、グイッとアクセルを踏み込む。刹那、不意に視界が開けたのだ。
――光の洪水――
そんな言葉が頭に浮かんだ。
舗装された道路が途切れ、舞は砂の海にダイブした。
だが、車は本物の海とは違って、沈むことはない。砂を巻き上げ、一直線に走る。ジープには敵わないと思ったが、「さすが日本車!」と自国贔屓になりそうだ。
舞の声援を受け、クラウンは砂上を爆走した。
どれくらい走っていただろう。ふと気付くと、バックミラーからジープは消えていた。
(やったわ! 振り切るなんてスゴイ!)
ジープの連中がどうして追うのを止めたのか、なんて舞にわかるはずもなく……。
彼女は脳天気にも、逃げ切った自分を勝者だと思ったのだ。
でも、その勘違いはすぐに正される。それは、舞が町に引き返そう、と考えた時だった。
砂の上を走ってきたのだから、タイヤの跡を見て戻ればいい。でも、すぐだとあのジープの連中が待ち構えているかも知れない。
もうしばらくしてから……と考えたのがとんでもないことになる。