琥珀色の誘惑 ―王国編―
その時、舞はハッと思い出した。
「あの……助けてくれてありがとう。本当に感謝してます。あ、今回もだけど……女性専用デパートの前で」
ミシュアル王子との喧嘩の原因にもなった“お礼”の件だ。
(会えた時に言っとかないとね。今度はいつ会えるかわからないし……)
ホッとした舞にヤイーシュは硬い声で短い返事をした。
「いえ。そんなことより……専用機の中で私が誓った言葉を覚えておいでですか?」
舞は何となく思い出しながら頷く。「このご恩は一生忘れない」とか、ヤイーシュは跪いて言った気がする。
「舞様。私はあなたを守る力が欲しくて、この地位を承諾しました。広大な砂漠で出逢えたのはアッラーの思し召し。どうぞ、私の求婚を受け入れて下さい」
それは舞にとって、人生二度目のシークからのプロポーズであった。
「あの……助けてくれてありがとう。本当に感謝してます。あ、今回もだけど……女性専用デパートの前で」
ミシュアル王子との喧嘩の原因にもなった“お礼”の件だ。
(会えた時に言っとかないとね。今度はいつ会えるかわからないし……)
ホッとした舞にヤイーシュは硬い声で短い返事をした。
「いえ。そんなことより……専用機の中で私が誓った言葉を覚えておいでですか?」
舞は何となく思い出しながら頷く。「このご恩は一生忘れない」とか、ヤイーシュは跪いて言った気がする。
「舞様。私はあなたを守る力が欲しくて、この地位を承諾しました。広大な砂漠で出逢えたのはアッラーの思し召し。どうぞ、私の求婚を受け入れて下さい」
それは舞にとって、人生二度目のシークからのプロポーズであった。