琥珀色の誘惑 ―王国編―
(8)ただひとり、あなただけ
(ないわ……どうして? 一体どこに……)
カンマン市内の離宮――。
ライラはジェットヘリに乗せられ、ミシュアル王子に連れて来られた。
彼らは一度も戻ることなく、舞を探しているようだ。
ライラは離宮の一室に閉じ込められたままであった。ドアの外には王太子直属の衛兵がふたり立ち、窓の下にも見張りがいる。
だが、ライラに逃げるつもりはない。
彼女には逃げる場所も、助けてくれるような人間もいないのだ。父・マッダーフはライラが致命的な失態を犯したと知れば、簡単に見捨てるだろう。
ライラがこの離宮まで素直に同行したのは、他に理由があった。
どんな処分が下るにせよ、あの写真だけは人目につかせる訳にはいかない。アレには……ライラの秘密が隠されている。
ライラは閉じ込められた室内で、タンスの中から机の引き出し、ベッドの下まで必死に探した。だが、どうやっても見つからない。
ミシュアル王子が戻るまでに見つけなければ……焦るライラの耳にドアをノックする音が聞こえた。
カンマン市内の離宮――。
ライラはジェットヘリに乗せられ、ミシュアル王子に連れて来られた。
彼らは一度も戻ることなく、舞を探しているようだ。
ライラは離宮の一室に閉じ込められたままであった。ドアの外には王太子直属の衛兵がふたり立ち、窓の下にも見張りがいる。
だが、ライラに逃げるつもりはない。
彼女には逃げる場所も、助けてくれるような人間もいないのだ。父・マッダーフはライラが致命的な失態を犯したと知れば、簡単に見捨てるだろう。
ライラがこの離宮まで素直に同行したのは、他に理由があった。
どんな処分が下るにせよ、あの写真だけは人目につかせる訳にはいかない。アレには……ライラの秘密が隠されている。
ライラは閉じ込められた室内で、タンスの中から机の引き出し、ベッドの下まで必死に探した。だが、どうやっても見つからない。
ミシュアル王子が戻るまでに見つけなければ……焦るライラの耳にドアをノックする音が聞こえた。