琥珀色の誘惑 ―王国編―
「お妃様、お寂しいとは思いますが、ミシュアル様も夜にはお戻りになられるそうです。お食事はご一緒に、とのお言葉でした」
ボンヤリとお湯に浸かる舞が寂しがっているように見えたらしい。
「べ、べつに、寂しいとかじゃ……とりあえず、これからのことも考えなきゃならないし」
「そうでございますね。お妃教育は大変だと聞いております。国王陛下やヌール様との謁見もございますし」
ミシュアル王子の実母、国王第四夫人ヌール妃のことだ。
確か日本人であったはずなのだが、ヌール妃の母親がクアルン人であるから、イスラムの名前を持っているのだろう、と舞は勝手に納得していた。後から思えば、初めに確認すべきだったのだが……。
その時、後方で女官たちの大声が上がる。
ボンヤリとお湯に浸かる舞が寂しがっているように見えたらしい。
「べ、べつに、寂しいとかじゃ……とりあえず、これからのことも考えなきゃならないし」
「そうでございますね。お妃教育は大変だと聞いております。国王陛下やヌール様との謁見もございますし」
ミシュアル王子の実母、国王第四夫人ヌール妃のことだ。
確か日本人であったはずなのだが、ヌール妃の母親がクアルン人であるから、イスラムの名前を持っているのだろう、と舞は勝手に納得していた。後から思えば、初めに確認すべきだったのだが……。
その時、後方で女官たちの大声が上がる。