琥珀色の誘惑 ―王国編―
「殿下の怪我はお命に関わることではありません。ここ数日、まともに眠られていなかったので、今はぐっすりお休みになられておいでだそうです」
(寝てるならそう言ってよ! アルが死んじゃうって、もの凄く心配したんだからっ!)
そう叫ぼうとした時、ターヒルが付け足した。
「アーイシャ様が後宮から姿を消されて以降、殿下はほとんど眠っておられませんでしたから」
「そ、それは……すみませんでした。あの……ヤイーシュのほうは?」
「殿下が手加減して下さったおかげで、全て掠り傷です」
あれで手加減していたのか、と感心しつつ、もっと尋ねたいと思ったが……。
――静かに連れ出すつもりで見張りの男たちを倒したのに、舞のせいで大事になってしまった。しかも、あの辺りで唯一の岩場に登り始めるし。朝と夕方はとくに影となる場所は気をつけるように、と言われたはずだ。
等々、ターヒルは舞に説教を始める。
結局、舞は半日待ち続け、やっとミシュアル王子の部屋に入れて貰えたのだった。
(寝てるならそう言ってよ! アルが死んじゃうって、もの凄く心配したんだからっ!)
そう叫ぼうとした時、ターヒルが付け足した。
「アーイシャ様が後宮から姿を消されて以降、殿下はほとんど眠っておられませんでしたから」
「そ、それは……すみませんでした。あの……ヤイーシュのほうは?」
「殿下が手加減して下さったおかげで、全て掠り傷です」
あれで手加減していたのか、と感心しつつ、もっと尋ねたいと思ったが……。
――静かに連れ出すつもりで見張りの男たちを倒したのに、舞のせいで大事になってしまった。しかも、あの辺りで唯一の岩場に登り始めるし。朝と夕方はとくに影となる場所は気をつけるように、と言われたはずだ。
等々、ターヒルは舞に説教を始める。
結局、舞は半日待ち続け、やっとミシュアル王子の部屋に入れて貰えたのだった。