琥珀色の誘惑 ―王国編―
舞は、ミシュアル王子が何も着ていないとは夢にも思わなかった。

ベッドで戯れる時、すぐに舞を裸にしたがる。だが、彼自身は決して脱がないのがルールだった。

しかし、とりあえずその問題は横に置いておこう。

クアルンへの機中で、ミシュアル王子に誘導されてトーブ越しにちょっとだけ触れたことはある。

後はヌール妃の後宮で、ラシード王子に襲われた時。かなり元気になった状態の、ラシード王子を見たくらいか。

思えば、小学校に上がってからは父とお風呂に入ることもなかった。弟の裸も見た記憶がない。形式的とはいえ、舞は五歳でミシュアル王子と婚約したのだから、父も気を遣ったのだろう。

いや、それはともかく……。


「こっ、こっ、こっ……これってアレだよね? アルのアソコに付いてるアレ……」

「舞、指示代名詞ばかりでは私にはさっぱりわからぬ」

「だっ、だって言えないでしょ! アルの……」

「お前の掴んでいるものなら、私のジャンビーアだ。どうかしたのか?」


ミシュアル王子は好戦的な瞳を舞に向け断言する。

そして、しどろもどろで真っ赤になる舞の顔を覗き込み、相好を崩すとキスの続きを始めたのだ。


いい加減、舞が手を離そうとすると……何と、その上からギュッと彼の手で押さえ込んだ!


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