琥珀色の誘惑 ―王国編―
いつの間に部屋に入って来たのだろう。というより、どうしてライラがここにいるのか訳がわからない。
(ライラってこの離宮にいたのっ!? 何で誰も、わたしに教えてくれないのよ!)
「写真の裏を、あなたは見たのね?」
「ウ、ウラ? み、みたわよ。でも……去年撮った写真がどうしたって言うの? そんなことより、よくも人を騙してくれたわねっ! しかもクブラーまで使って。クブラーの弱みとか握って、無理矢理命令したんじゃないでしょうねっ」
「撮影の日付を見てしまったのね……」
「だったら何だって言うのよ。話をごまかしてないで、こっちの質問に答えなさい!」
初めに気付くべきだった。ライラの様子がどこかおかしいことに。
ライラの髪に艶がなく、心なしか頬のラインも鋭角になっていた。首から下はアバヤに包まれていてよく見えないが、小刻みに震えている気も……。
次の瞬間、舞は黙り込んだライラの手に光る物を見つけた!
小振りのジャンビーアである。
今度は正真正銘……刃を剥き出しにして持っているので、用途も違わない本物だ。
「悪いけど……あなたには死んでもらうわ」
(ライラってこの離宮にいたのっ!? 何で誰も、わたしに教えてくれないのよ!)
「写真の裏を、あなたは見たのね?」
「ウ、ウラ? み、みたわよ。でも……去年撮った写真がどうしたって言うの? そんなことより、よくも人を騙してくれたわねっ! しかもクブラーまで使って。クブラーの弱みとか握って、無理矢理命令したんじゃないでしょうねっ」
「撮影の日付を見てしまったのね……」
「だったら何だって言うのよ。話をごまかしてないで、こっちの質問に答えなさい!」
初めに気付くべきだった。ライラの様子がどこかおかしいことに。
ライラの髪に艶がなく、心なしか頬のラインも鋭角になっていた。首から下はアバヤに包まれていてよく見えないが、小刻みに震えている気も……。
次の瞬間、舞は黙り込んだライラの手に光る物を見つけた!
小振りのジャンビーアである。
今度は正真正銘……刃を剥き出しにして持っているので、用途も違わない本物だ。
「悪いけど……あなたには死んでもらうわ」