琥珀色の誘惑 ―王国編―
「ちょっと待ってよ! ねえ、ライラ。どうして? たかが写真一枚じゃない。撮影の日付だって……。ねえ、その写真に写ってるのは誰? ライラの本当のお母さんじゃないの?」
「舞、滅多なことを口にするものではない! それに……テーブルを下ろしなさい」
「へ?」
舞はテーブルを持ち上げていたことを忘れていた。
だが、思い出した瞬間、あまりの重さに足元がふらつき……ミシュアル王子が飛びついて、舞の手からテーブルを取り上げ床に下ろしてくれた。
「こんなものを、どうやって」
ミシュアル王子も絶句している。
舞も、もう一度やれと言われたらちょっと無理だろう。
ふたりの様子を見ていたライラは口元を歪め、笑顔らしきものを作り……
「写真の赤ん坊はわたくしの娘、アーイシャよ。わたくしは昨年の四月、この離宮で娘を産んだの」
それは、衝撃の告白だった。
「舞、滅多なことを口にするものではない! それに……テーブルを下ろしなさい」
「へ?」
舞はテーブルを持ち上げていたことを忘れていた。
だが、思い出した瞬間、あまりの重さに足元がふらつき……ミシュアル王子が飛びついて、舞の手からテーブルを取り上げ床に下ろしてくれた。
「こんなものを、どうやって」
ミシュアル王子も絶句している。
舞も、もう一度やれと言われたらちょっと無理だろう。
ふたりの様子を見ていたライラは口元を歪め、笑顔らしきものを作り……
「写真の赤ん坊はわたくしの娘、アーイシャよ。わたくしは昨年の四月、この離宮で娘を産んだの」
それは、衝撃の告白だった。