琥珀色の誘惑 ―王国編―
ラシード王子が、マッダーフ邸の異変を聞きつけたのは今朝のこと。
マッダーフの邸の使用人たちから、ライラがターヒルに捕まったと報告を受ける。
ラシード王子は慌てて王太子の宮殿に出向くが、そこはすでに誰もいなかった。
宮殿の警備兵から、ミシュアル王子がライラを連れてカンマン市に向かったと聞き、その後を追いかけて来たのだ。
だが、第三王子で学生の身分に過ぎない彼には、兄のように軍のヘリを動かすことなど出来ない。
それでも民間機を駆使しながら、出来る限り早くカンマン市までやって来たのだった。
命に関わる重傷であるなら、このカンマン市では充分な医療施設がない。ミシュアル王子はすぐさま、夜間でも飛行可能なジェットヘリを用意させた。
だが、不幸中の幸いで、ラシード王子は肋骨三本にひびが入っただけ、ライラに至っては掠り傷で済んだのだった。
マッダーフの邸の使用人たちから、ライラがターヒルに捕まったと報告を受ける。
ラシード王子は慌てて王太子の宮殿に出向くが、そこはすでに誰もいなかった。
宮殿の警備兵から、ミシュアル王子がライラを連れてカンマン市に向かったと聞き、その後を追いかけて来たのだ。
だが、第三王子で学生の身分に過ぎない彼には、兄のように軍のヘリを動かすことなど出来ない。
それでも民間機を駆使しながら、出来る限り早くカンマン市までやって来たのだった。
命に関わる重傷であるなら、このカンマン市では充分な医療施設がない。ミシュアル王子はすぐさま、夜間でも飛行可能なジェットヘリを用意させた。
だが、不幸中の幸いで、ラシード王子は肋骨三本にひびが入っただけ、ライラに至っては掠り傷で済んだのだった。