琥珀色の誘惑 ―王国編―
舞がクアルンに来て驚いたことの一つがコレであった。
ミシュアル王子から、気に入った物を着て良い、と言われ半信半疑だったが。シャムスに聞いたところ、あの真っ黒なアバヤの下は……なんと、日本人女性顔負けの自由な装いだった。
特に富裕層の多いダリャ市内には女性専用の高級デパートがたくさんあった。
そこには世界の流行ファッションを集めたブランドショップが立ち並んでいるという。クアルンの中流階級以上の女性は、日本人顔負けのブランド志向らしい。
また、昨今の女性の社会進出に合わせて、海外ではアバヤはもちろんヒジャブも被らない女性が増えてきている。
彼女らは世界トップブランドのスーツを身に着け、クアルン国内に戻った時だけ、上から黒で覆い隠す。別にアバヤを否定している訳ではなく、ビジネス社会におけるマイナス面を考慮してのことらしい。
ソレはソレ、コレはコレ、と言ったところか。
「ア、アルは……わたし以外は妻にしないって、約束してくれたわ!」
「何を愚かな。クアルンの国王に妻がひとりなわけがないでしょう?」
「そんな……」
舞が言葉を失った瞬間。
ミシュアル王子から、気に入った物を着て良い、と言われ半信半疑だったが。シャムスに聞いたところ、あの真っ黒なアバヤの下は……なんと、日本人女性顔負けの自由な装いだった。
特に富裕層の多いダリャ市内には女性専用の高級デパートがたくさんあった。
そこには世界の流行ファッションを集めたブランドショップが立ち並んでいるという。クアルンの中流階級以上の女性は、日本人顔負けのブランド志向らしい。
また、昨今の女性の社会進出に合わせて、海外ではアバヤはもちろんヒジャブも被らない女性が増えてきている。
彼女らは世界トップブランドのスーツを身に着け、クアルン国内に戻った時だけ、上から黒で覆い隠す。別にアバヤを否定している訳ではなく、ビジネス社会におけるマイナス面を考慮してのことらしい。
ソレはソレ、コレはコレ、と言ったところか。
「ア、アルは……わたし以外は妻にしないって、約束してくれたわ!」
「何を愚かな。クアルンの国王に妻がひとりなわけがないでしょう?」
「そんな……」
舞が言葉を失った瞬間。