琥珀色の誘惑 ―王国編―
(21)愛はかなわぬ夢に
ライラの失態を知り、慌てて保身の策を講じようしているマッダーフのもとにミシュアル王子は乗り込んだ。
そしてラシード王子の目の前で、ミシュアル王子はマッダーフに通告したのだ。
『ライラを第一夫人とする。結婚の儀式は明日。手配は全てこちらで行う。お前はライラの父として儀式に立会い、その結婚を祝福するだけでいい。不満はないな』
マッダーフは目を丸くした。
どんな無理難題を押し付けられるか……。
最悪の場合、軍部を動かしてクーデターすら考えていた彼には寝耳に水の話であろう。
『条件は一つ。儀式にはお前が外国人女性に産ませたという娘、アーイシャを同行せよ。こちらにはDNA鑑定の用意もある。返事は?』
マッダーフは手を前で合わせると、『御意のままに』そう言ってうやうやしく頭を下げたのだった。
そしてラシード王子の目の前で、ミシュアル王子はマッダーフに通告したのだ。
『ライラを第一夫人とする。結婚の儀式は明日。手配は全てこちらで行う。お前はライラの父として儀式に立会い、その結婚を祝福するだけでいい。不満はないな』
マッダーフは目を丸くした。
どんな無理難題を押し付けられるか……。
最悪の場合、軍部を動かしてクーデターすら考えていた彼には寝耳に水の話であろう。
『条件は一つ。儀式にはお前が外国人女性に産ませたという娘、アーイシャを同行せよ。こちらにはDNA鑑定の用意もある。返事は?』
マッダーフは手を前で合わせると、『御意のままに』そう言ってうやうやしく頭を下げたのだった。